選手ブログ #35 中田凌雅『言霊』

今まで関わっていただいた方達へ。

そして、後輩たちへ。

僕たちは高校3年生の時に大学生になっても本気でサッカーがしたいと思い、この大学を志望したんだと思う。
プロサッカー選手の夢なんて成長過程のどこかに置いてきたはず。
それでも本気でサッカーがしたかった。
だから覚悟とやる気だけを持って、この大学の門を叩くことにした。
今思えば札幌東高校から岩教を目指すのに、サッカーが好きというだけの志望動機は夢見る少年すぎたのかもしれない。
当時は周りの声も意見も聞き流す程度にして、この大学に入学することを決めた。

それから4年たった今思うことは、「精一杯やりきれたか」ということ。

後悔しないようにと選んだ大学はたしかに、俗に言うキャンパスライフとはかけ離れてはいた。
まぁ、隣の芝生は時に青く見えるものでThe 大学生を生きた中田凌雅もちょっと気になるが。

大学生になった3年半前、僕らは他の大学生とはあきらかに違う大学生活を送り始めていた。
僕らは何をしていたか。
週一の部活のオフは月曜日。にもかかわらず、岩見沢という辺鄙な土地で9時から講義を受け1,3,5講という中空きの時間割をこなした。
授業内容は全く覚えてない。
5講目は陸上で400m×4を走ったり1500m×2を走ったり。
もう一度言う。
この日オフなのに。
最初の半年はこのルーティンであっという間に終わった。死ぬかと思った。
というか何回かは死んだ。

しかし今振り返ると、あの頃は毎日が新鮮で必死で、楽しくてしょうがなかった。「同期」と空き時間にボールを2時間弱蹴ってから練習するくらい「同期」といると疲れは感じず楽しかった。
この「同期」13人がいたから楽しかった。

4年生になった時にこいつらと全国に行きたい。
これが原動力だった。
1年生では無理でも自分にチャンスが来るなら4年生の時かななんて思いながら日々過ごし、準備してた。
3年半が経った。

精一杯やりきれなかった。

サッカー選手には共通して腐る時期が来る。きっと皆んな多かれ少なかれ腐ったことがある。
自分はもっと評価されるべきとか。
同じポジションのあいつが試合に出てるとか。
俺の方が、、とか。
この感情は時にアクセルになり、時にブレーキになる。
岩教では高校までチームの中心だった選手が50人集まっている。
だからか試合に関われないなんてことが新鮮で腐り始める奴らもいる。
例えば、ブレーキのかけ方が下手くそで大学生にもなって練習中に帰らされたり。

俺は夏の全国大会前に腐った。これが後悔だ。
予選の1回戦にベンチで出られなかった俺は次の日ベンチ外だった。初めて態度に出して周りに愚痴を言ってしまった。
そして「こんなんなら引退したほうがましだわ」俺の口から聞いたチームメイトも数人居ると思う。
思ってなくても口にしてしまって、周りに聞かせたことをすごく悔やんでる。

そして僕は全国大会2週間前くらいに鎖骨を折って手術をした。少なくとも全治3ヶ月と言われた。
そして、8月に早々と選手を引退した。
こんなんでも引退しない方がましだった
もう、本気でサッカーできない。
選手として「同期」と全国に行く目標は叶わなかった。
当時の俺は試合に出れないだけで悲劇のヒロインにでもなりたかったのだろうか。
最後の一年の大切な時期を随分と贅沢に使ったもんだ。きっとバチが当たったんだと思う。
面白いことに怪我をした時は今までを走馬灯のように思い出した。
悔しさと情けなさで涙が止まらなかった。

ありがたいことに「残念だね」は聞き飽きた。
これからはチームの一員として岩教で戦うことにした。

後輩たち。
言霊って本当にあるらしい。
だからあんまりその時の感情を口に出さない方がいいと思う。
いや、発動するならもっといいタイミングあるだろ。ってところで発動する。
イライラしたら同期と飯でも行って気晴らしするといい。やっぱり楽しいって思うから。

そんなこんなで学生最後の夏は炎天下とはかけ離れた病室で過ごした。
まだまだ鎖骨は治ってないが冬はチームの全国大会をサポートして過ごすつもりだ。
大学サッカー不完全燃焼の中田凌雅は怪我が完治し次第、体づくりに励みサッカー復帰する。
何日か前のブログで藤原進士郎っていう後輩がW杯を本気で目指すと言ってたので一緒にW杯にでも出ることを目標しようかな。
彼は俺がいないとまた練習中に帰らされちゃうんで。

最後になりますが、今まで指導していただいた安部先生、浜谷先生、越山先生、ありがとうございました。先生方がいなければ僕たちは満足にサッカーをできていません。
そして、徳丸トレーナーをはじめとする札幌スポーツクリニックの皆さま、怪我のサポートからトレーニングの作成まで本当に感謝しています。怪我が治るまで引き続きよろしくお願いします。
俺ら4年のダル絡みを受け続けてる後輩たち、ありがとう。もう少しの辛抱だ。

「同期」の皆んな
本当にいつもありがとう。
あと少しだから、もっと楽しく過ごしましょう。
インカレまで、頑張りましょう。
そして酒を呑み笑いましょう。

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